世界フィギュアスケート選手権の男子シングルで、宇野昌磨が優勝した。北京五輪で金メダルを獲得した米国のネイサン・チェンは出場していなかったが、宇野にとっては初めての世界一となって、間違いなくひとつ、階段を上った形だ。順位より獲得した点数を詳しく見ていくことで、宇野が世界の中でたどり着いたポジションがどういったあたりなのか、探ってみた。
世界選手権は3月21日から27日まで開催されたが、北京五輪からほぼ1カ月ということで、五輪のあと休養を取ったとして、世界選手権に向けてまた同じ演技を見せようとするのは、すべてのスケーターにとって簡単ではなかったはずだ。だが宇野は、北京五輪と同じ要素で演技を行って、北京五輪での演技を上回る得点を出した。五輪のあとにも意欲を持って世界選手権に向かっていった、数少ないスケーターの一人と言えそうだ。
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photograph by Asami Enomoto