#1003
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<成長の軌跡> コントレイル「最強の源流を訪ねて」

2020/05/26
コントレイルが1歳時に過ごしたノースヒルズ清畠。10頭前後が10haの土地に放牧される。
牡馬クラシック戦線で堂々主役を張る青鹿毛の怪物は揺籃期、評価は高くも目立つ存在ではなかったという。なぜ彼は圧倒的な存在となれたのか。その答えが、生産と育成に携わった関係者の証言から見えてきた。(Number1003号掲載)

 コントレイルの物語は、2011年9月の米国キーンランド・セプテンバーセールから始まる。ノースヒルズの前田幸治代表の代理人として、矢作芳人調教師と、ノースヒルズの福田洋志ゼネラルマネージャーが現地に赴き、コントレイルの母ロードクロサイトを38万5000ドル(当時のレートで約3000万円)で落札。その母フォークロアがブリーダーズCジュベナイルフィリーズなどGIを2勝している良血馬だ。

「血統のよさが品に現れていましたね」

 そう評する矢作調教師の管理馬として走り、7戦0勝、2着2回、3着2回という成績で引退し、繁殖牝馬となった。

 初仔のバーンフライは父ゴールドアリュール、2番仔のアナスタシオは父ダイワメジャー。どちらもダートで勝っている。

「最初に馬格のいい仔を出すゴールドアリュールを付けて、次はスピードを加えようとダイワメジャーを配合しました。ディープインパクトは小柄な仔に出る傾向があるので、まずは1~2頭しっかりした仔を出してくれるか確認したうえで、ディープインパクトを付けることにしました」

 福田氏はそう説明する。初めてディープインパクトを配合し、'17年4月1日に誕生したのが3番仔のコントレイルである。

「脚元が綺麗で、バランスがよく、雰囲気のある、カッコいい馬でした。コンサルタントのスティーヴ・ジャクソンさんも、この世代のなかでもトップクラスの馬として、たびたびリストアップしていました」

「目立っていい馬。胸が深い」

 1996年からノースヒルズのコンサルタントをつとめるジャクソン氏による'17年5月29日の評価は「骨量豊かでしっかりしている。バランスがいい。ハイクラスで品がある。伸びがあり、素晴らしい牡馬」で、1歳時の'18年3月5日は「目立っていい馬。胸が深い。前脚の向きが綺麗。立っていても、歩いても素晴らしい」だった。

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photograph by Takuya Sugiyama

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