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<追悼メッセージ> 森祇晶「唯一無二の好敵手へ」

2020/03/12
1993年10月、日本シリーズの監督会議に臨むヤクルト・野村と西武・森。
同じ捕手として現役時代から交流を深め、'92年、'93年の日本シリーズでは球史に残る激闘を繰り広げた野村と森。ライバルであり盟友でもある知将が、在りし日の姿を偲ぶ。

 野村さんとはもう60年以上のつき合いになるんだね……。なにしろ、沙知代夫人と一緒になるよりも前のことだからさ。僕が巨人、彼が南海だった現役時代には日本シリーズ前に対戦相手の情報提供をお願いしたこともありました。その頃から、お互いの野球観に惹かれる部分があったし、その後のつき合いの中で、ますます相通じる部分が深まっていったような気がするな。

 訃報を聞いたのは、僕の住むハワイ時間で2月10日のお昼過ぎ。ニュースで知りました。最近の病状は知らなかったけれど、彼が多くの本を出版したり、テレビに出演したりしているのは知っていたから、「まさか……」という思いだった。でも、その反面では「やっぱりか……」という思いもあったな。というのも、あの人は全然自分で動こうとしないし、自宅でも車椅子に乗っていることを聞いていたので、「もっと運動をしなくちゃダメだよ」って、ことあるごとに言っていたのでね。

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photograph by Motoyuki Kobayashi

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