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ニキ・ラウダ死す。 伝説のレース人生に合掌。 ~生身の彼の消えない記憶~

'76年、富士スピードウェイの決戦前に話し合うラウダ(左)とハント。神話的なライバル関係は後に映画化された。

 チーム・スタッフに聞くと「ニキはキャンピングカーにいる」と言われた。ドアをノックし出てきた人に、少しインタビューできないかと頼んだ。ダメかと思いながら待っていると本人が現れた。目と目が合った。

 数十cmの距離で大火傷を負った顔を見た瞬間、怖くなった。'76年ドイツGPの炎上事故後、イタリアGPから復帰。首位ラウダ対ハントの最終決戦「F1世界選手権イン・ジャパン」(富士スピードウェイ)での出来事だ。

 頭が真っ白になり、質問ができない。とにかく会釈する。傷跡を正視できずおどおどと、拙い取材を始めた。移植された周りの皮膚のせいか目は冷たく、表情がない。それでも日本の若い記者に平然と応じる余裕を感じた。

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photograph by AFLO

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