チケットはプラチナ化し、練習場にも人が溢れた。
プロサッカーリーグ開幕の興奮と混乱の中で、勝者としての確固たる基盤を築いたクラブがある。
鹿島アントラーズ。その中心に、王国の10番がいた。
プロサッカーリーグ開幕の興奮と混乱の中で、勝者としての確固たる基盤を築いたクラブがある。
鹿島アントラーズ。その中心に、王国の10番がいた。
ジーコが、いた。
ほかの誰でもない。かつてサッカー王国ブラジルの10番を背負い、「神様」とまで呼ばれた男が、圧倒的な存在感を放って、そこに立っていた。
1993年、元号では平成5年である。バブルがはじけたばかりの日本に、プロのサッカーリーグが誕生した。構想から足かけ6年で築き上げたJリーグだ。
熱狂が渦巻いていた。
都市も地方もない。試合会場はどこもかしこも、人、人、人である。開催日になると、チケットを握りしめた人々が次から次へと押し寄せ、スタジアムに呑み込まれていく。ほんの数年前までスタンドに閑古鳥が鳴いていたのがウソのようだった。
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photograph by KASHIMA ANTLERS