沢村賞の選考基準は7つある。それをすべて満たすことは今の野球では難しいと、今年から補足基準が設けられた。それがクオリティ・スタート(7回以上、自責点3以内)の達成率だった。しかしそんな数字を検討するまでもなく、圧巻の数字を残した菅野智之が、史上5人目となる2年連続での沢村賞を獲得した(以下、カッコ内は選考基準値)。
15勝(15以上)、200奪三振(150以上)、10完投(10以上)、202投球回数(200以上)、防御率2.14(2.50以下)、28登板(25以上)、勝率.652(6割以上)。
初めての沢村賞を獲得した去年、菅野は7つのうち、200イニングと10完投の条件をクリアできず、今年の開幕前、7つすべてをクリアしての沢村賞を狙うと口にしていた。あえて数字と向き合うことで、自分自身を追い込もうとしたのである。だから菅野は今回の受賞を「嬉しさは変わらないけど達成感は今年のほうが格段にある」と表現したのだ。
特製トートバッグ付き!
「雑誌プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています
photograph by KYODO