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<カープ正捕手の哲学> 會澤翼「扇の要は怯まない」

2018/10/02
 球界随一の「打てる捕手」としてカープの躍進を支えているプロ12年目。
 投手陣の信頼を得られるようになったのはあるエースの一言がきっかけだった。

 濃く直線的な眉のせいだろうか。男より漢の字を当てたい風貌だ。

 會澤翼、30歳。カープの正捕手と呼んで異論は出まい。スタメンマスクの数を指標とすれば、入団11年目の昨シーズン、初めてチームの頭(かしら)となり、今年はその座をより確固たるものにした。

 12年前のいまごろ、水戸短期大学附属高3年の會澤は、取りたての免許を携え車を乗り回していた。高校生ドラフト会議でカープから2人しか指名されなかったうちの2番目で名前を呼ばれると、会見の場には短ランとボンタンという格好で現れた。

 先入観そのままに「やんちゃでした?」と確認する。會澤は口ごもった。

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photograph by Nanae Suzuki

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