世界陸上選手権は8月4日、ロンドンで開幕するが、日本代表への注目度は近年になく高まっているように思う。日本陸上選手権の注目度は高く、大会第2日は男子100m決勝が行われたこともあって、会場のヤンマースタジアム長居には2万人を超える観客が集まった。これまでも五輪イヤーの大会は五輪代表の選考会になるため注目度が上がる傾向にあったが、今年は五輪イヤーの翌年にもかかわらず、注目度が高かった。
昨年の五輪、男子400mリレーで銀メダルを獲得したあと、男子100mが陸上競技の人気をけん引する形になった。今年の日本陸上選手権では、大会前に山縣亮太、桐生祥秀、ケンブリッジ飛鳥に加え、関西学院大学3年の多田修平も6月になって10秒08を記録したことから、世界選手権の参加標準記録(10秒12)をクリアした選手が4人という、かつてないレベルで大会を迎えていた。しかし結果は、大会前の自己ベストが10秒18だった18歳のサニブラウン・ハキームが、雨の中で行われた決勝で、10秒05を出して優勝した。予選、準決勝で10秒06の自己ベストを出して、決勝は出場8選手の中でただ1人、準決勝よりタイムを上げて勝利した。今年の秋から米国のフロリダ大学に進学するサニブラウンは、大会前はオランダで合宿を行っていたが、予想を超える大躍進で大会の注目度をさらに上げる役割を果たしたと言える。
特製トートバッグ付き!
「雑誌プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています
photograph by Toshiya Kondo