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<トップランナーの心得> 和田毅「変わらないことの難しさ」

2017/05/08
日本復帰した昨季。15勝で最多勝を獲得すると、'17年は開幕戦のマウンドを託され、8回112球、5安打1失点に抑える好投で白星を挙げた。いまだ衰えを見せない左腕の内面に迫る。

 和田毅がまだ20代の半ばだった頃。

「地球って、なぜ回るのかなとか考えたりすることありませんか? 自転とか公転とかいう意味合いではなくて」と突然問いかけてきた。まるで哲学者の物言い。不意を食って二の句が継げない筆者を見ながら、若き日の和田はフフフッと笑っていた。

「えー、それ本当に僕でしたか? スミマセン、覚えてないです。そんなことを言っていたなんて、なんかヤな奴ですね(笑)」

 いや嫌味どころか、逆に和田の投手として、人間としての凄みを感じた。だから、約10年が経った今でも忘れられないのだ。


 疑問を持つから、常に考える。

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photograph by Tadashi Shirasawa

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