【Game3:Fighters 4-3 Carp】
気持ちで立ち続けた先に大谷翔平がいた。6回だ。先頭の近藤健介を打席に迎えた時点で広島の先発・黒田博樹は屈伸して、右ふくらはぎをさするような仕草を見せた。
「あの回の先頭からですね……今までにない感じだった」
右足に感じた違和感。それでも変調を押し殺してマウンドに立ち続けたのには訳がある。ネクストバッターズサークルの背番号11。大谷の姿を視線に捉えて、もう一度、最後の勝負を挑む闘争心が黒田を支えていた。
「この前(第1戦)のピッチングを見て、今日のバッティングを見ると、改めて凄いと思いました。(1、2打席では)しっかり振られましたし、ピッチャーがバッター(ボックス)に立っているという感触ではいけない」
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photograph by Hideki Sugiyama