クライフに出会うまで、私はフットボールについて何も知らなかった。
鮮やかな蜜柑色の本の表紙に刻まれた、ジョゼップ・グアルディオラの言葉だ。
10月、欧州各国で故ヨハン・クライフの自伝が出版された。今春この世を去ったクライフは、数年前からオランダの高級紙「デ・テレグラーフ」の記者ヤープ・デ・フロートとともにこの自伝の執筆にとりかかっており、まとめ終えたのは死の1カ月前だったという。クライフが永住の地としたバルセロナで、同書は早くもベストセラーのひとつになっている。
クライフの死は今年のサッカー界の大きなニュースとなったが、中でも影響を受けたのは愛弟子でもあるグアルディオラだった。彼は死後バルセロナに飛び、クライフ邸に招かれ最後の別れをしたほど、一家に近い存在だった。
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photograph by AFLO