狙うは前人未到の2年連続トリプルスリー。若き天才は高きハードルを平然と超えたかに見えた。だが、その裏には人知れぬ受難と苦悩があった。番記者だけが知る今シーズンの戦いの記録。
追い込まれても、体勢を崩されることなく打ち返す。
山田哲人の打撃の特徴だ。変化球に対しても泳がされることが少なく、クルッと軸回転を保ち、安打を放つことができる。
その原点は少年期にあった。山田の宝塚リトル時代に監督を務めた李相鎬が言う。
「自分のポイントまでボールを引きつけ、軸回転で打つことを徹底させ、振り遅れても前に崩されない打撃を教えました。山田はタイミングの取り方が非凡でしたね。今は左足を高く上げるフォームですが、当時はすり足気味でした」
決して飛び抜けた飛距離を持っていたわけではないが、本塁打や安打を量産した。
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photograph by Hideki Sugiyama