モハメド・アリが6月3日に74歳で亡くなった。米国の有力各紙はアリに関わる様々な記事を掲載した。そんな中でニューヨーク・タイムズがこれまで出版されたアリの本を論評し、本書を「驚嘆すべきアンソロジー」と振り返った。'60年代から'90年代までに発表されたインタビュー、評論、試合レポートなどから精選された31篇。書き手は作家、報道記者、評論家など、同時代のオピニオン・リーダーたちだ。
例えば、大リーグ最初の黒人選手ジャッキー・ロビンソン。差別の壁と闘った先達は、'64年にカシアス・クレイがヘビー級の王座に就き、その直後にブラック・モスレムに入信しモハメド・アリと改名した“事件”を自ら書く。“俺がいちばん偉大だ”と叫ぶアリの大言壮語を「私たちがもっと自覚していなければならなかったメッセージ」と考える。そして黒人たちに自分が「他の人間たちと同じように偉大だと思ってほしい」というのだ。
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