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言葉を伝える以上に大切なこと。~監督の色を伝えようともがく人々を描いた『サッカー通訳戦記』~

2016/07/12

 通訳者の変化をみると、サッカーの進化を追うことができる。'72年にペレを擁するサントスが来日した時、新聞社のインタビュー通訳を行ったのは翌日対戦する日本代表の一員であるネルソン吉村だった。当時の通訳の仕事は、言葉が通じるというだけで問題なかったし、そもそも通訳の質を考えるという発想自体がなかった。しかし、現代サッカーにおいて通訳者の役割は非常に大きくなった。モウリーニョのような通訳出身の指揮官すら出てきた。つまり、通訳とは、意思疎通を図るための人ではなく、指揮官とサッカー観を細部まで共有し、的確に選手へと伝える監督の鏡のような存在になったのだ。『サッカー通訳戦記』は歴代日本代表監督やJリーグを支えてきた通訳たちが、実際にどんな言葉を聞き、何を伝えてきたかを明らかにする。

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photograph by Wataru Sato

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