日本、シンガポール、モンゴル、インド、ブルネイ、香港、ブータンなどアジア18カ国でプレーした流浪のサッカープレイヤーをあなたは知っているか?
彼の名は、伊藤壇。その張本人が初めて書いた『自分を開く技術』は、「アジアの渡り鳥」の半生記であり、自身の可能性をどうやって他者に売り込み、食べていくのかという究極のサバイバル本だ。
'75年生まれの伊藤は仙台大を経て、ブランメル仙台に入団。ところがチーム加入後の2年目、寝坊で練習に遅刻してしまい、その謹慎後に解雇されてしまう。まあ、ここまで読むだけでは自業自得だと思う読者が多いだろう。世の中そんなに甘くない。ところが、伊藤はそこでサッカーを諦めないのだ。
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photograph by Wataru Sato