1カ月以上のブランクをみじんも感じさせない快投だった。4月24日以来、右手首痛などで戦列を離れていたヤンキース田中将大投手が6月3日、マリナーズ相手の復帰戦を白星で飾った。3回に1点を失ったものの、味方の好守にも助けられ、快調なテンポでアウトを重ねた。事前に、「80~85球」の球数制限を指示されていたが、終わってみれば、わずか78球で7回を3安打1失点無四球9奪三振。文句なしの内容だった。
「すべての球種が良かったです。7回を投げ切れたというのは、最高だったんじゃないですかね」
7回裏2死からシーガーを見逃し三振に仕留めた最後の78球目には、メジャー自己最速タイの154kmをマークするなど、本来の力強い投球を披露した。米国のデータ会社の計測によると、速球の平均球速は151kmに到達。昨年9月の147kmからアップしたことで完全復活を印象付けた。昨年7月、右肘靱帯部分断裂が判明したこともあり、これまで不安視する論調を繰り返していた地元ニューヨークのメディアも、手のひらを返したように絶賛するばかりだった。
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photograph by Yukihito Taguchi