’02年にセ・リーグ最優秀防御率を記録した桑田真澄。その年の9月4日、スワローズ戦で完投勝利を飾った彼は、ウイニングボールをある人物に贈った。相手は武術研究者の甲野善紀である。
引退をささやかれ始めていた桑田は、甲野の武術に出会ったことで、今までとは違う「身体の使い方」を考えるようになった。桑田だけではない。卓球の平野早矢香や女子バスケットボールの小磯典子など、多くのアスリートに影響を与えているといわれる甲野善紀。彼はいったい何者なのか? 武術研究者という今までなかった領域を仕事にして37年。甲野はどこの武道団体に所属することもなく、独自の道を切り拓いてきた。合気道に始まり、鹿島神流や根岸流などの武術に触れ、29歳で「武術稽古研究会」を立ち上げ。各領域に存在する常識を疑いながら体の「動きの質」を深めてきた。
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photograph by Wataru Sato