昨年12月7日の中山競馬の新馬戦で21年ぶりに起きた禁止薬物事件が、釈然としない終局を迎えようとしている。
1着でゴールしたピンクブーケ(牝、当時2歳、美浦・小西一男厩舎)から採取された検体から、興奮剤のカフェインが検出されたことがレースの3日後に発表され、競馬法違反の疑いで船橋警察署に通報されたところまでは法に則った動き。競馬施行規程によって同馬は失格となり、一旦は交付された1着賞金700万円ほかの諸手当も没収された。
ところが、トレセン内の薬局(JRAファシリティーズ株式会社)において同馬を担当する調教助手が購入した「サイペット」という競走馬用のサプリメントに禁止薬物の原因物質が含まれていたと特定され、それが競走馬理化学研究所の検査をパスしていたことが確認されてからは、続報がプツンと途絶えてしまっていた。事件発覚翌日の出馬投票こそ自粛させられた小西厩舎だったが、1週間休んだだけで、翌週からは“通常営業”。状況から見て、厩舎に落ち度がないのは早い時期からJRAも推察していたはずだ。
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photograph by NIKKAN SPORTS