周囲からの視線だけでなく、ユニホーム姿から漂う雰囲気が、昨年とは異なっていた。ヤンキース田中将大のメジャー2年目が、フロリダ州タンパでスタートした。キャンプ2日目にブルペン入りした際には、スプリットを含めた全球種を投げ分けるなど、昨年故障した右肘痛の不安を感じさせない姿を見せた。
「着実に前回よりも今日というふうに来ているので、順調なんじゃないかと思います」
メジャー1年目の昨年は、「明と暗」の両面を経験した。メジャー投手史上5位となる7年総額1億5500万ドルの大型契約を結び、新人では最長タイとなる開幕から16試合連続でのクオリティースタートを達成するなど、快調な滑り出しを見せた。その一方で、7月上旬に右肘靱帯部分断裂が判明し、初選出されたオールスターも辞退。約2カ月の戦列離脱を余儀なくされた。その「明と暗」を、初めて異国の地で生活し、マウンドに立った田中は、次の段階へ進むための教材として受け止めていた。
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photograph by Yukihito Taguchi