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筋肉を捨てて、身体の声を聴く。 ~平尾剛・著『近くて遠いこの体』~

2014/10/28

 スポーツ科学の知見では掴み切れない、体というもやもやして曖昧なもの。その体の声に耳を傾け、対話するための一冊を書いたのは元ラガーマンだ。

 平尾剛は、神戸製鋼コベルコスティーラーズで日本一になり、'99年ワールドカップ日本代表にも選ばれた。だが、現役の晩年には多くの怪我に悩まされ、不本意な形での引退を余儀なくされた。細心の体のケアをしていたのにも関わらず取り返しのつかない形に壊れてしまった自身の体。その体に対する大いなる疑問を始点に、多方面から体を語るのが本書だ。

 現在は大学で身体論を教えるという彼は、ラグビーで深めた身体知を、僕らの日常にまで落とし込み、翻訳を試みる。

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photograph by Wataru Sato

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