ソチ五輪日本選手団の中で、最も知名度が高く、スポーツファンの枠を超えて期待が高いのは、フィギュアスケートの男女シングル代表だろう。4年前もほぼ同じような状況だったから、我々はつい「冬季五輪といえばフィギュアスケート」という認識に慣れてしまって、ずっと以前から、日本がフィギュアスケートの強豪国だったかのような錯覚に陥ってしまう。
だが、もちろん(と言うべきだろう)実際はそうではなかった。1998年長野五輪の時、日本男子の最高順位は本田武史で15位だった。女子のほうは、前年世界選手権の結果、出場枠が一つしか獲得できず、代表になったのは当時16歳の荒川静香(13位)だった。長野では15歳のタラ・リピンスキー(米国)が金メダル、17歳のミッシェル・クワン(米国)が銀メダルとメダリストは若年化していた。この8年後に荒川が金メダルを獲るなど、当時、いったい誰に予測できただろう。
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photograph by Sunao Noto/JMPA