最終戦ブラジルGPで今季13勝目、年間最多9連勝の偉業を成し遂げたS・ベッテル。26歳の王者はパドックで放心した表情を見せた。疲労の中で、勝ち続けてゴールした安堵感、達成感、解放感を噛み締めているようだった。
シーズンは、開幕戦PPを決めながら、予選7位のK・ライコネンに逆転を喫する屈辱から始まった。敗因は新ピレリとのマッチング。一発の速さで圧倒するレッドブルRB9もロングランでロータス、フェラーリの後塵を拝した。この課題にスタッフは最適セットアップを再構築。その分岐点が前半カナダGP(タイヤ研究)と後半ベルギーGP(空力性能変更)、シンガポールGP(アップデート投入)だった。スタッフの開発ワークに呼応し、ベッテルはドライビングの自己修正に励んだ。そうした地道な努力が早期V決定、連戦連勝につながったのである。
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