デリック・ローズはマイケル・ジョーダンではない。シカゴのファンは今、そんな当たり前のことに気づき始めている。
シカゴ・ブルズのファンにとって、幸か不幸か、スーパースターを測る物差しは常にジョーダンである。そしてローズこそ、ジョーダン後のブルズで唯一ジョーダンと比較するに値する選手なのだ。一挙一動を比べられてしまうのはしかたないことなのかもしれない。
去年4月28日、プレイオフの初戦で左膝の前十字靭帯を断裂したローズは、手術から11カ月たった4月9日現在も、まだ試合に復帰していない。それだけ大きな故障だったのは確かだが、問題は1カ月以上前に医者から試合復帰のゴーサインが出ていることだ。練習では、2月頃から試合形式の5対5に参加しており、復帰間近と言われて久しい。しかしローズ本人は「110%の状態になるまでは復帰しない」と慎重な姿勢を貫いている。怪我は治っても、選手としてメンタル面での準備ができて、リズムを取り戻すのに時間がかかっているというわけだ。
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