成功の鍵を握るのは、今大会にも出場したスター選手たちとの連携だろう。
彼らの特徴をよく知る地元記者がKAGAWAの活きる道を分析した。
マンチェスター・ユナイテッドと晴れて正式契約を結んだ香川真司。7月中にはチームと合流し、プレシーズン・トレーニングを始める形になる。そこで注目されるのが、他の攻撃陣との「相性」というテーマだ。
EURO2012は、この問題を考える上で格好の素材を与えてくれる。プレミアの名門、ユナイテッドからは当然のように複数のメンバーが参加していたからだ。
ウェルベックのスピードにより、香川が享受できるメリットとは。
FW 185cm/73kg 【香川との相性=B】
21歳ながら、ホジソン代表監督の信頼を勝ち取り、今大会全4試合で先発し1ゴール。ルーツはガーナだが、マンチェスターで生まれ育ち、ユナイテッドのユースチームでキャリアをスタートさせた。しなやかな体躯を生かし、トリッキーでスピーディーな動きで相手DFを翻弄する。昨シーズンはプレミアリーグ30試合に出場、9ゴール。
まずはイングランド代表のFWを務めたダニー・ウェルベック。彼の持ち味は身体能力の高さを活かしたプレーにある。足の速さは'99年に3冠を達成した頃のFWドワイト・ヨークなどを連想させるし、細身ながら体を張ってボールをキープするのもうまい。
存在感が最も際立ったのは、グループリーグ2戦目のスウェーデン戦である。2-2の同点で迎えた後半33分、ウェルベックは至近距離からのクロスを反転しながらヒールで入れるという離れ業を演じてみせた。
では香川との相性はどうか。高級紙サンデー・ミラーの記者、サイモン・マロックに分析してもらうことにする。マンチェスターを拠点とする彼は、香川がユナイテッド入りするという噂がたった頃から、ドルトムント時代のプレーを映像でチェックしてきた。
「ウェルベックと組む際のポイントは2つある。1つ目は香川が得られるメリットだ。
ストライカーにも様々なタイプがいるが、DFにとって最も嫌なのは、ウェルベックのようにスピードで勝負するタイプだ。
ディフェンスラインの裏に抜けられることを警戒するため、守備陣はどうしても深く引いてしまいがちになる。これは香川にとって、バイタルエリア付近で自由にプレーできるスペースが増えることを意味する。
「雑誌プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています