'01年、甲子園最速の158kmをマークした寺原隼人(オリックス)はこの夏、こんなことを話していた。「松坂(大輔)さんの記録を抜いてしまったことで球速にこだわりすぎて、成長が遅れたと思う」。この話を聞いて、'09年に左腕最速の154kmを叩き出した菊池雄星のことが思い出された。
メジャーを含めて、20球団のオファーが殺到した菊池が比較されたのは、あの江夏豊だった。周囲は、即戦力として二桁勝利は当たり前と考えていた。期待が高まれば高まるほど、本人は辛かったはずだ。体力不足は明らかだった上、当時は背筋を痛めていた。海外へのこだわりを見せたのも、実はメジャー30球団の統一リハビリ法の存在を知った時からだった。
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photograph by NIKKAN SPORTS