好カードが必ずしも好ファイトとならないのがボクシングだが、この一戦は期待以上の内容で後楽園ホールの超満員のファンを魅了した。3月5日、チャンピオン・山中慎介が新鋭・岩佐亮佑の挑戦を10回TKOで退けた日本バンタム級タイトルマッチ。今季のベスト、いやチャンピオンカーニバル32回の歴史に残る名勝負だった。
両サウスポーが鋭いブローを応酬し、終始緊迫した攻防を展開した。強打の山中に対し、岩佐が足を使ったアウトボクシングではなく前に出て果敢に仕掛けたのは意外だった。後半、山中の強いプレスに押されたのはパワーと経験の差だろうが、プロ9戦目でここまでレベルの高い試合を見せた岩佐もただ者ではない。
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photograph by BOXING BEAT