#741
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<Wインタビュー> 山崎武司&鉄平が明かす、大躍進の秘密。 ~特集 『楽天旋風2009』~

2009/11/18
今年の快進撃は、この2人のバットマン抜きには語れない。
性格同様、豪快で明るい打棒は未だ健在。パ・リーグ2位の39本塁打を放った、根性の大砲。冷静かつ緻密なバッティングで安打を量産、初めて首位打者に輝いた27歳のヒットメーカー。
対照的なキャラクターの両者が肌で感じたチームの変化とは。

 寡黙な3番、鉄平。

 豪放な4番、山崎。

 これだけキャラクターの違う打者が中軸に座る楽天の試合を見るのは楽しかった。何から何までアプローチの仕方が違う。

 今季は39本の本塁打を放った山崎は、一か八かヤマを張って一発を狙っていく。

 対する鉄平は、カウントによって球種を絞り込みながらも、幅広い球種に対応しようとする。

 打撃へのアプローチがまったく違うのである。漢字で表すなら鉄平は寒、山崎は暖、色がはっきりしてきたところに楽天が戦う集団として成長してきた軌跡がうかがえる。

 しかしもちろん共通点もあって、二人とも状況判断をしていく上での根拠を重視する姿勢に変わりはない。プレーをする上での「根っこ」のようなものと言ったらいいだろうか。一人ひとりの選手が根を張り、それが地面の下で絡まって強固な土台が作られた……。それが今年の楽天のイメージだ。

野村監督の『考える野球』が選手に浸透した。

 2005年、寄せ集め集団からスタートしたチームは、今季どんな成長過程をたどってきたのか。当時、オリックスを解雇され、初年度から楽天のユニフォームを着てきた山崎は、その変化をビビッドに感じ取ってきた。

「チームとして、根本的に力がついたというのは間違いなくあります。それが具体的にどう表れてくるかというと、『言葉』なんです。1年目、2年目はただ負けて、明日も頑張ろう、ただそれだけ。何も考えてない。考える材料もなかったからね。今年は試合が終わった時の反省なり、具体的な場面でどう動けば良かったのか、的確に自分たちで分かるようになってきた。これは野村監督の『考える野球』が選手に浸透して、個々のレベルが上がってきたということでしょう」

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photograph by Kenta Yoshizawa

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