雑誌における「岩手スタイル」を作りたい。

　そして第二に考えたことは「雑誌の枠を越えていく雑誌」ということ。マーケット規模が小さい岩手県において、雑誌の売り上げだけで持続可能なモデルにするのはとても難しい。より存在感を拡大していくために取り組んでいるのは、スポーツイベントの企画運営。昨年は岩手県アスリートが一堂に会したトークイベント「Talking STADIUM」、菊池雄星投手の少年野球教室などをお手伝いさせていただいた。スポーツを通じて人をつなげるイベントを手掛ける中で、新しい雑誌の可能性が開けてきていることを実感している。

　今、雑誌における「岩手スタイル」というものを作りたいと本気で考えている。卑屈な気持ちは微塵もなく、岩手には岩手に合った、独自性を持った雑誌の作り方があってしかるべきという気持ちが根底にある。もちろん途上段階であり、改善しなければならない点も多いが、その気持ちが自分を突き動かす力になっている。そしてまた、読者の顔を思い浮かべて作りながら、700円という決して安くない雑誌を楽しみにし、実際に買ってくれていることへの感謝を忘れずにいたいとも思う。

　スタンダードのスローガンとして「岩手をひとつにするのはスポーツだ」という言葉を掲げた。その理想に一歩でも近づくために努力を続けていく。