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「アメリカの馬ではありえない」BCクラシック“連覇ならず”でも…なぜフォーエバーヤングは現地で愛される? 米ベテラン記者が明かした「納得のワケ」
text by

一野洋Hiroshi Ichino
photograph byGetty Images
posted2026/11/04 06:21
ダート競馬の最高峰として名高いBCクラシックを昨年、日本馬として初めて制したフォーエバーヤング
一方、フォーエバーヤングは5歳になっても現役を続け、3年連続で米国の大舞台に挑んだ。しかも、米国に拠点を移したわけではない。日本を拠点としながら、中東への遠征も重ね、世界のトップホースと戦い続けてきた。
米国内の競馬場を転戦するだけでも競走馬にとって輸送の負担は小さくない。まして国際遠征となれば、長時間の航空輸送に加え、検疫や環境の変化への対応も求められる。フォーエバーヤングは、それを3年間にわたって繰り返しながら、世界最高峰の舞台で結果を残し続けてきた。
グレニング記者は、その遠征の多さについて「私がこれまで見てきた中でも、前例のないものです」と言い切った。2人の米国記者が共通して称賛したのは、一度の歴史的勝利だけではない。国境を越えて挑戦を重ね、長期間にわたって世界のトップクラスと戦い続けてきた、その競走生活そのものだった。
“伝説”のはじまりは…2024年のサウジアラビア!?
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フォーエバーヤングの海外挑戦を振り返ると、今も鮮明によみがえる場面がある。
2024年2月、サウジアラビアのキングアブドゥルアジーズ競馬場で行われたサウジダービーだ。
初めての海外遠征。大きな期待を集めていたフォーエバーヤングは、スタートから好位置を取れず道中は外を回る厳しい展開となり、直線でも先行するアメリカ調教馬のブックンダンノとの差はなかなか縮まらない。しかし、そこから驚異的な末脚を繰り出した。最後の最後で相手を捕らえ、わずか頭差で勝利をつかんだ。
現地で目撃したあの追い込みは、今も忘れられない。後に世界的な名馬となるフォーエバーヤングの物語は、あのゴール前から始まったように思う。
レース後、坂井瑠星騎手は「何をすべきかすべて分かっている、特別な馬です」と称賛しながらも、「まだ完全には成長し切っていませんが、今も成長を続けています」と語っていた。
続くUAEダービーでは一転してスタートから好位置を取り、堂々たる勝利を収めた。そして迎えたケンタッキーダービー。日本調教馬として初めての優勝まで、あとわずかに迫る3着だった。グレニング記者は、この一戦が米国のファンに残した印象を強調する。
「今でも多くの人が、あのケンタッキーダービーについて話しています。フォーエバーヤングの着順が少なくとも一つ繰り上がっていてもおかしくなかった、と主張することはできたと思います」
シェラック記者も、あの接戦が米国の競馬ファンに強い第一印象を与えたと振り返った。米国競馬の頂点を争う舞台で見せた走りが、フォーエバーヤングを日本の有望馬から、米国のファンが注目する存在へと押し上げた。

