- #1
- #2
核心にシュートを!BACK NUMBER
「練習は1時間だけ」でも…選手から「キツイ」の声が!? バスケ日本代表“新ヘッドコーチ”はチームをどう変えた? 八村塁は「世界のレベルで教えてくれる」
text by

ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byKiichi Matsumoto
posted2026/08/27 17:01
2月からバスケットボール日本代表のHCを務める桶谷大と、2年ぶりに代表に合流した八村塁
実際、先日の練習後に行なわれたワークアウトでは、ビッグマン4人に対して吉本AC、町田洋介コーチ、網野友雄コーチの3人が指導にあたっていた。なかでも網野は、強豪・白鴎大の監督を務めるかたわら、U-22日本代表のHCなど、若手の代表チームを率いることが多い。そんな網野を代表のコーチに招いている理由について、桶谷はこう明かす。
「彼を入れていることによって、やはりA代表がどういうことをやっているのか(を伝えたい)……育成年代のコーチ陣もここに呼んでやっていきたいなというふうに思いますし」
コーチを増やすことは、目先の強化だけが目的ではない。育成年代への還元まで見据えた、組織づくりそのものの一部なのだ。
日本代表の環境が「世界で通用するか」にこだわる
ADVERTISEMENT
これらすべての変化は、伊藤委員長が描くひとつの構想につながっている。
「日本代表の環境が『世界で通用する環境であるか』というところにこだわって作っていきたいなと思っています」
コーチもトレーナーも、ストレングスコーチも含め日本で一番の環境を作る。それによって、選手だけでなく指導者までもが「ここに参加したい」「選ばれたい」と思う場所にする。それは八村や河村のようにNBAの世界最高の舞台を経験している者たちにとっても響くものだ。
実際、河村は若手主体で編成された8月上旬のモンゴル戦に向けた合宿にも熱心に参加して、コーチ陣と一緒に個別のトレーニングを積んでいた。そして、一時期は日本代表への復帰を望まないのではないかと思われた八村も今はこう話す。
「コーチ陣が、世界で戦えるレベルで教えてくれる」
再現性のあるオフェンス、緻密なディフェンス、負荷を考えた練習設計、そして厚みを増したコーチ陣――。桶谷体制で起きているひとつひとつの変化は、すべてこの「世界で通用する環境」という一枚の設計図の上に積み重なっている。
桶谷は各部門を束ねる指揮者として、日本バスケ界の頂点にある日本代表チームの音を響かせているのだ。

