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「1人だけトンファーで戦っているような…」なぜQuizKnockが“クイズの甲子園”を開くのか? クイズ王・伊沢拓司が回顧する“ある異能プレーヤー”の肖像
text by

別府響Hibiki Beppu
photograph byTadashi Hosoda
posted2026/08/28 11:01
今年で5回目を迎える「クイズの甲子園」こと『WHAT』。主催するのは伊沢拓司、東言らのQuizKnockだ。なぜ彼らはこの大会の開催を決めたのだろうか
知識を競うのは大前提として、リスクとリターンを天秤にかける。相手の得意ジャンルや得点状況から「誤答覚悟で攻める」のか、「相手の自滅を待つ」のかといった高度な駆け引きを行う。サッカーで言う“カード覚悟のファウル”のような選択も戦略として組み込まれる時代になった。
「自分が高校生の頃は、追い込まれた状況でも『知らない問題が出てきたから……』と待ってしまう選手がほとんどだった印象があります。でも、今は中高生でも『ここはリスクを冒して押すべき局面だ』という判断が徹底できていますし、競技として確実に成熟してきていると思います」(伊沢)
競技クイズで「強いプレーヤー」ってどんな人?
戦術が高度化し、膨大な知識を頭に叩き込んで臨むことが一般化された現代の競技クイズ。では、その中で「本当に強いプレーヤー」とはどのような存在なのだろうか?
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言は「『上手い選手』と『強い選手』は明確に違う」と言う。
「チームスポーツでも『あの選手はサッカーが上手い』という個人の技術への評価と、『あのチームは強い』という結果への評価がありますよね。クイズでも立ち回りがめちゃくちゃ上手い選手はたくさんいます。でも『強い選手』というのは、どんなに追い込まれた状況でも、最終的に勝利をもぎ取ってくる選手なんです」
では、土壇場で勝ちを引き寄せるための条件とは何か?
言が挙げた答えは、実にシンプルなものだった。
「言葉にすれば陳腐かもしれませんが、メンタルだと思います。練習やペーパーテストでは圧倒的な成績を残すのに、本番の1問目で躓いた瞬間、精神的な安定を崩して動けなくなってしまう。そうしてそのまま敗退してしまう実力者を何人も見てきました。本番の緊張感の中で、いかに平常心を保てるか。あるいは緊張をパフォーマンスに変えられるか。最後はそこに行き着く気がします。これは本家の野球の甲子園をはじめとする身体スポーツも一緒ですね」

