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チェルシー戦で先発復帰の三笘薫…相棒グロスとの“阿吽の呼吸”で欧州切符へ「可能性あるなら挑戦する」と語るブライトン躍進のキーマンが示す覚悟
posted2026/04/23 06:00
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田嶋コウスケKosuke Tajima
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Getty Images
プレミアリーグ終盤戦。順位争いが激しさを増す中で、三笘薫とブライトンの存在感が確実に大きくなっている。その象徴とも言えるのが、4月21日に行われたチェルシー戦でのパフォーマンスだった。
そのひとつ前のトッテナム戦で、三笘はパスカル・グロスのクロスに完璧に合わせ、鮮やかなゴールを決めた。英衛星放送スカイスポーツが「Exquisite volley(絶妙なボレー)」と称えれば、地元ニュースサイト『サセックス・ワールド』も「Spectacular(華々しい)」と絶賛。この得点は、クラブファンサイト『We are brighton』でも4月の「クラブ最優秀ゴール候補」にノミネートされている。
だがこの試合で足に痙攣を感じ、途中交代となった。コンディションへの不安を残したまま迎えたのがチェルシー戦だった。
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それでも、三笘はピッチに立った。そして開始早々、いきなり観客の視線を奪う。右サイドからグロスが供給したクロスに、ダイレクトでボレー。相手GKに阻まれはしたものの、一連のプレーには三笘の高度なテクニックが凝縮していた。
さらに後半には、個の能力がより際立つ場面もあった。ペナルティエリア内でマーカーに寄せられた瞬間、ボールを浮かせて相手を外し、ボールをタッチしてシュート。惜しくも枠を外れたが、もし決まっていれば間違いなくスーパーゴールとして語り継がれていただろう。技術とアイデアが同居したプレーだった。
この試合は、ブライトンでの三笘にとって、3月4日のアーセナル戦以来となる先発出場でもあった。コンディションに不安を抱えていたが、ピッチで見せたプレーはむしろ逆だった。状態は上向いている。そう感じさせるには十分すぎる内容だった。
ただ本人は、決して現状に満足していない。
「いや、まだまだですね。もうちょい上げないと、って思いながらやってました。もうちょい上げられると思う。(シーズン終了とW杯まで)残り2ヶ月弱ぐらいあるので、そこに持っていかないといけない」
そして今、ブライトンは確かな勢いをまとっている。2月21日のブレントフォード戦からの8試合で6勝1分1敗。順位は14位から6位へと一気にジャンプアップした。シーズン終盤にきてのこの上昇曲線は偶然ではない。チーム全体に生まれている変化が、結果として表れている。
来季チャンピオンズリーグ出場圏の5位アストン・ビラとの勝ち点差は8。決して小さくはないが、それでも三笘は可能性が残されている限り、視線を上に向ける。
「他が勝てば無理ですけど、可能性があるならチャレンジしないといけない。可能性があるだけ、面白いところに来たなと思います。ほんと4勝すればいい話」
では、その好調を支えているものは何か。三笘はチーム内からの視点でこう語る。
「セカンドボールのところなど、守備意識が上がったのは間違いなくあります。また、競争がしっかりあるのも大きい。今まで試合に出ていなかった選手がモチベーションをもってやることが、競争につながっている」
守備意識の向上とポジション争いの活性化。シンプルではあるが、どの強いチームにも共通する要素だ。特定の誰かに依存するのではなく、チーム全体で底上げしていく。そうした好循環が、いまのブライトンには確かに生まれている。
そして、この流れをさらに加速させている存在がいる。冬の移籍市場でブライトンに復帰したグロスだ。
ドルトムントから戻ってきた34歳のベテランMFは、すぐさまチームの中心に収まった。試合の流れを読み、適切なポジションに顔を出し、シンプルながらも質の高いプレーで攻撃を整える。派手さはなくとも、効果的なプレーで違いを生み出している。
とりわけ印象的なのが、三笘との関係性である。グロスは三笘の動き出しを見逃さない。そして三笘もまた、グロスを信じてスペースへ走る。言葉を交わさずとも成立する連携が、ピッチ上に確かに存在している。トッテナム戦で生まれたスーパーゴール。そして、チェルシー戦でも似たようなボレーシュートがあった。
三笘自身も、グロスの存在の大きさを実感している。
「冬に加入して、彼の色がよりチームに入った感じです。立ち位置だったり、ゲームを読む力だったり、サッカーをよく知っている選手。それがチームとして落ち着きにつながっている。ほんと引っ張ってくれてるって感じですね」
さらに、相互理解について問われると、こう続けた。
「(グロスが移籍するまでの)2年間、一緒にやっている。お互い分かっていますし、練習でもやっぱり見てくれる。どのタイミングでパス出すかも、ほんと分かっているので。頼りになります」
積み重ねてきた時間が、そのままプレーの質に変換されている。偶然ではなく、必然の連携。その安定感が、チーム全体にも安心感をもたらしているのだろう。
残り試合は4つだ。ヨーロッパへの扉は、すでに現実的な距離にある。三笘薫とブライトン。このシーズンの終着点がどこになるのかは、まだ分からない。ただひとつ確かなのは、いま彼らが「面白いところ」にいるということだ。その言葉どおりの結末を、自らの力で引き寄せたい。

