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宇野昌磨「アイスダンスで輝きたい」Ice Brave 3に向けたプロデューサーの流儀
posted2026/07/08 11:00
text by

野口美惠Yoshie Noguchi
photograph by
Asami Enomoto
2人のアイスダンスはすでに、昨年スタートした自身プロデュースのアイスショー「Ice Brave」で披露済みだが、新シリーズの「Ice Brave -A TURNINGSEASON-」では、さらに進化した2人の演技が見られるという。そこにかける想いを聞いた。
昨年6月に開幕し、全国29公演を走り抜けたアイスショー「Ice Brave」。座長かつプロデューサーである宇野は、第3弾の開幕が待ちきれない様子だ。
「『Ice Brave』が始まった時は『今回限りのショー。すべてを出し切って、とにかく成功させよう』という思いでした。その後、第2弾が開催できることになり、より磨きをかけることを考えてきました。第3弾は、僕というより、スタッフやメンバーの全員の力があって決定できたこと。とにかく楽しみです」
これまで以上に、プロデューサーの視点で、ショーへ取り組む。4月には、公式SNSで「曲リクエスト」を公募した。
「応募は1200くらいあり、うちの優秀なスタッフが全曲聞いてくれました(笑)。僕がアンケートをしたのは『皆は僕に対してどういうイメージを持っているか』『意外とこういう曲を見たいのか』ということを知りたかったんです。必ずしも『リクエストの曲の中から使います』ということではなくて」
リクエストのまま選曲するわけではない。その信条をこう語る。
「『要望に100%お応えしてやります』というのは、僕はあまり良くないと思っていて。例えば競技も、先生の言われた通りにやって世界一になるんだったら、皆がなれる。自分なりに噛み砕き、意見を聞くことが大切だとわかった上で、意見を活用することが大事だと思います。そういう意味で、皆さんのリクエストをそのまま採用するのではなく、皆さんの思いを汲んだ上で、ショーの瞬間をプレミアムに感じてもらえるよう、考えていきたいです」
プロデューサーになったことで、人の演技を見る視点も変わった。
「観察力は、間違いなく変わりました。『この人になぜこの楽曲が合うのか』、逆に『この人はどういう部分を苦手にしているのか』『楽曲が好きで使っているのか、得意で使っているのか』など、今までと違う視点で考えるようになりました」
周りの演技を観察するうちに、表現へのアプローチは逆転した。
「今までの競技では、苦手な部分をいかに隠し『悪く見せない』ようにするかということをやってきました。極論としては、手を上げるとダサさがバレるから、手を上げない。でも今は『良く見せる』という考えに変わりました。それは目標が、点数か、お客さんに楽しんでもらうかの違いです。良いものを見せたい、そして悪い所も良く見せたいという意識が強くなりました」
演者が感動してこそ、観客を感動させられる。
表現の追求への熱量は、そのまま、アイスダンスでの競技復帰の決意にもつながっている。5月22日、宇野と本田真凜は会見を行い、2024年10月には気持ちを固めていたことを告白。競技への準備を進めるなかで「Ice Brave」で演技を披露していたことを伝えた。
「(シングルの)引退会見から2年。すごく濃い色々な経験をさせていただきました。その経験すべてを背負って、自分の一部として競技に向き合いたいという思いが、いま強くあります」
今年4月には本田真凜と共に、アイスダンスの本場モントリオールに渡り、スケーティングの神髄を学び直した。
「モントリオールは最高峰の場。トップの方々は、本当に基礎練の毎日でした。僕らも基礎練はやりますが、見失ってはいけないのは、自分が持っている武器。自分で言うのもあれですけど、スケートという意味では、引けを取らない見せ方が絶対に出来ると思うので、『Ice Brave』、そして競技の舞台で誰よりも輝こう、という思いで演技するのが大事だと感じました」
第3弾に向けて切磋琢磨するなかで、求める方向性もはっきりしてきた。
「やっぱりライブ感です。その日その瞬間に、メンバーやスタッフからこみ上げてきた思いが、観客の皆さんにも伝わる。演者も見る人も感動できるような演出が出来たら良いなと思っています」
感動という言葉を挙げ、宇野はふと自分自身について言及する。
「僕は、あまり物事に感動しない方なんです。感動して泣くことがない。映画を観たら泣きますが、それは主人公が苦労しても報われない瞬間とかに涙を流すので、感動とは違いますし。最近、timelessの『RUN』をメンバーと歌った時に泣いたのが、初めて感動で泣いた瞬間かも知れません」
現役時代、五輪でメダルを獲得しても感涙しなかった。そのことを振り返る。
「昔は、僕は努力を見せるのが格好悪いと思っていたんです。今は、努力なんて見せ過ぎなくらい見せた方がいいと思っていて、それを感動に結びつけることが、演出する立場として面白い。見る人を感動させるには、やはり演者自身も感動することが大事。それにメンバーが感動している姿を見るのが、僕にとって嬉しいんです。涙を流す瞬間って、嘘じゃないですから。でも僕は泣かないですよ、絶対」
第3弾は、7月31日に愛知で開幕する。
「タイトル通り、第2弾から見違えるほど飛躍したと思っていただけるショーにする。なので、見ておいた方がいいかなって僕的には思います」

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styling by Tsuyoshi Nakamura
hair&make-up by Yuki Ishikawa



