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「コーチから“ミーティングやってよ”と」DeNAアナリストは“進化系”先乗りスコアラーなのか…重視するポイントは「選手への伝え方」だった
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広尾晃Kou Hiroo
photograph byKou Hiroo
posted2026/03/01 17:01
DeNAのデータアナリスト藤井氏。チームをどう強くしようと日々取り組んでいるのか
「まず対戦カードの頭に全体でのミーティングはあるのですが、8、9人いる中継ぎ投手は、右も左もいますし、投げる角度もバラバラなので、投手ごとに打者の特徴を伝えたうえで、個別に“こう攻めるべき”という話をしなければなりません。気になる選手はとことん聞いてきます。自分がどこまで踏み込めばいいのか、常に気にしています」
——シーズン中は143試合ずっと帯同しているのですか?
「そうですね。ポストシーズンも含めれば150試合を越します。選手と同じホテルに泊まって、生活を共にして、コミュニケーションを深めています」
コーチから早い段階で「ミーティングやってよ」と
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——コーチとの関係はどうですか?
「僕がチームの現場に入ったのは昨シーズンの途中からでしたが、主に中継ぎ投手を見ていた小杉陽太コーチから早い段階で『ミーティングやってよ』と言われて。びっくりして最初はしどろもどろでしたが、現場にいきなり放り込んでいただいたおかげで、選手とかなり早くいい関係を築くことができたので、小杉コーチ含めて環境を作ってくださったチームには感謝です。
昨年は、僕のところにすごく聞きに来る投手がいて、ミーティングの後も、試合が始まる前にも聞きに来て、ブルペンで準備する直前にも来て、投げた後にも来て"どうだった"と聞いてくれました。そういうやりとりをする投手ができたことは、良かったなと思っています」
コミュニケーションスキルも向上したいですね
取材した日のブルペンでは、阪神から移籍したデュプランディエ、昨シーズン中にMLBから復帰した藤浪晋太郎、中川颯、石田裕太郎、中川虎大など、多彩な投手が投球練習をして、実に豪華だった。
藤井氏も他のアナリストと同様、投手の後ろから投球を眺めていたが、バイメカ系のアナリストが、ハイスピードカメラなどのデータの確認に集中しているのに対し、藤井氏は投手の手元のタブレット端末を調整するなど、投手のサポートに徹している印象だった。同じアナリストでも、立ち位置が違うことを感じさせた。
——アナリストとして今後、どういう目標を持っていますか?
「分析スキルも上げていきたいですし、機械寄りのこともしっかり学習していきたいと思います。もちろん、それとともにコミュニケーションスキルも向上したいですね。
相川亮二新監督は、アナリストにも結構いろんなことを聞いてくださる方なので、信頼に応えられるアナリストを目指します」〈第1回からつづく〉

