陸上日本選手権で見た「6連覇＆MVP」だけじゃない“最速女王”田中希実（25歳）の本当のスゴさ…男子選手も思わず「ああいう姿は本当にかっこいい」 

「田中希実選手は素晴らしい力を発揮した。今後もまた試合等があると思いますが、ここから調子を上げていって2種目できちんと結果を出してもらいたい」

　日本陸連強化委員会の山崎一彦強化委員長は、総括会見で田中の活躍を高く評価していた。

　その意味で誰もが納得のいくMVP選出だったに違いない。

男子選手も「ああいう姿は本当にかっこいい」

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　そういえば、男子1500mで専門外ながら2位と健闘した早稲田大学4年の山口智規はこんなことを口にしていた。

「田中希実さんが世界と戦っているのは、自分の道を行ったからだと思う。“男子の田中希実さん”じゃないですけど、ああいった存在になれればなって思っています。SNS等を通してずっと活躍しているのを見てきたので、ああいう姿は本当にかっこいいなと思います」

1500mで2位に入った早大の山口　©Nanae Suzuki

　今では田中は男子選手にも憧れられる存在なのだ。

　ただ今大会で田中が見せた最大の「凄味」は、MVPでも6連覇でもなかったように思う。

　では、9月に地元・東京での世界陸上を控えた今年だからこそ見える、田中の本当の強さとは、一体どこにあったのだろうか。

＜次回へつづく＞