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落合博満が“野村克也のボヤき”に本音「あれは70代のお爺ちゃんだから面白いんだ」…社会人野球に救われた名将ふたりの“まったく異なる監督像”
text by
横尾弘一Hirokazu Yokoo
photograph bySankei Shimbun
posted2024/12/29 17:02
試合前のメンバー交換で言葉を交わす楽天・野村克也監督と中日・落合博満監督。2008年の交流戦で
「あのボヤきは、70代のお爺ちゃんだから面白いんだ」
転籍先のセガサミーで現役を終え、母校・立正大で監督を務めていた坂田は、今春に松本国際高の監督に就任した。
「高校生は、まだ何色にも染まっていない魅力がある。私には、彼らに色をつけていく責任がありますね。野村さんは時折、『最後は高校野球の監督をやりたい』と言っていた。その理由が、少しわかったような気がします」
シダックスの3年間で、野村の内面にも変化があったからこそ、田中善則(昭和第一学園高監督)、黒坂洋介(昌平高監督)、相馬幸樹(中央学院高監督)ら多くの教え子が、アマ野球の指導者として『ノムラの教え』を継承しているのかもしれない。
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そうして、落合と野村は社会人野球に救われたという共通点を持つが、その監督像はまったく異なる。情報統制を徹底し、メディアと積極的に関わらなかった落合に、「野村監督のようにボヤいたりはできなかったのか」と尋ねたことがある。
「あのボヤきは、ノムさんというより70代のお爺ちゃんだから面白いんだ。年齢によって、演じる監督像は違うんだよ」
そう言った落合は来年、古希を迎える。もしユニフォームを着るなら、中日時代の印象を覆す指揮官になりそうで楽しみだが、率いるのは社会人チームのような気もする。
<前編とあわせてお読みください>