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「高校時代はスコアブックを見る程度」の西武・平良海馬が…“データ野球の申し子”になった真相を明かす「その頃から高めを狙うという」 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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photograph bySeibu Lions

posted2024/01/05 17:30

「高校時代はスコアブックを見る程度」の西武・平良海馬が…“データ野球の申し子”になった真相を明かす「その頃から高めを狙うという」<Number Web> photograph by Seibu Lions

平良海馬はデータ活用が進む球界を象徴する1人だ

「そうです。自主トレとか春季キャンプのブルペンなどで、もう4~5年くらいラプソードを使っていますね。タブレットを横に置いて投げるたびに確認して、リリースの感触と、実際に投げた球が一致しているのかを見ながら練習しています。ほかの人のことはあまりわかりませんが、ライオンズでは、ほとんどの投手がやっていると思います。

 ラプソードを使い始めた頃には球質がしっかり安定しているか、(今回の投球では)このくらい曲がったから、それを安定させていきましょう、といったアドバイスを貰っていました。ただ、だんだん使っていくうちに、自分でもこういう数値が出たときにはこうすべきだ、というのがわかって来る。なので、新しい球種を作るときも、こういう回転をかけるためには、どういうリリースをしないといけないかが、大体わかるようになりましたね」

モーションキャプチャーなどは専門の会社で計測

――平良投手は入団してから球速もアップしていると思うが、その部分はデータをどのように活用しているのでしょうか?

「動作解析をして、球速を上げるためには、どういうエネルギーをどのように伝達すればいいのかを分析しています。オフシーズンに球速アップのために取り組んだりしています」

――動作解析系の機器も駆使して?

「そうです。モーションキャプチャーなどは専門の会社で計測して、それに基づいて練習しています」

――例えば動作解析をして、それに基づいてフォーム改造をしたのに、それが球速の向上や球質の変化につながらない、みたいなことはないのでしょうか?

「フォームを変えると言っても、そんなに大きな変化はないです。そこまで球質に影響は出ないですし、フォームを変えても球質を安定させることができるのが、トップレベルの選手だと思っていますので、そんなに気にはしていません。でも、自分が投げやすいフォームに変えることはないですね。例えばマウンドに左足がついたときに、右投げなので上半身をもう少し三塁ベース側に向けましょう、というようなアドバイスがありました。その方がエネルギーがしっかり伝達されていて、速い球が投げられたので、最初は投げづらかったとしても、そうできるように日々練習をしています。

 自分の投げたいフォームがあって、それに体や感覚を合わせていくって感じですかね。最初は違和感や居心地の悪さがあるんですけど、それが結果に結びついているという感じです」

「コンディション、感覚」と「データ」をすり合わせる

――調子が悪いときは、データを見て調整することはあるのでしょうか?

【次ページ】 先発転向後、データチェックは基本的に変わらないが

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