初防衛戦は“姉妹喧嘩”を超えた戦いに

　もちろん、ジュリアにも鈴季への思いはある。

「20歳になったすずにもうあの頃の面影はない。だけど、去年の10月に『5★STAR GP』で15分（時間切れ）戦った試合の終盤、私には“妹”のすずがチラっと見えた。あの頃の鈴季すずを感じたんです。今度の試合は、妹とは思えない“今の鈴季すず”で来るのか……。やってみなければわからないね。ひとつ言えるのは、今回は晴れやかな気持ちでお互いのプロレスをぶつけ合うことができる。5年前に小さな部屋のベッドでした約束。いつか2人でビッグマッチのメインをしようって。それが想像もしていなかったシチュエーションで実現するんです。感慨深いね……」

　それが単なる“姉妹喧嘩”を超えた戦いになることは必至だ。

「自然にお客さんの声が出てくれるといいんですけどね（笑）。まあ、もし忘れちゃっていたとしても、私とすずならきっと歓声の出し方を思い出させることができる。期待してほしいです。3年間ずっと我慢してきたから、お客さんと一体になって会場が熱くなる、本来のプロレスの素晴らしさを思い出しましょう」

　先日、ブシロードの新春発表イベントでジュリアは新日本プロレスの棚橋弘至と会い、赤い着物姿で記念写真に納まったりもした。

「棚橋さんは常に周りを楽しませようとしている。お客さんがいないバックステージでも、控え室でも。常に見られていることを意識されていて、24時間エンターテイナーって感じが伝わってきました。記者の皆さんに囲まれて『ロートル』なんて言っていましたけれど、イヤミのない自虐って大事だな、と思います。私も自虐することありまけど、やっぱり大人は上手い（笑）」

　ジュリアは2023年という年を、どう生き抜くつもりなのか？

「よく聞かれるんですよ。防衛戦の相手が決まってるのに『次は誰と戦いたい？』とかね。でも、まだひとつも防衛していないのに、そんなこと考えられないですね（笑）。タイトル防衛の記録、回数とか期間にも私はこだわるつもりはない。1回、1回、1試合、1試合を大事に、意味のある試合をして、そのたびに燃え尽きたいんです（笑）。見ている人の心にぶっ刺さるように。自分のベストバウトを更新していきたいです。歓声ありの大阪は、スターダムにとってようやく一歩踏み出すことができる特別な日。お互いのすべてを出し尽くして、最高の状態で、アクセル全開で、めちゃくちゃで極上のプロレス、私とすずの5年間すべてを詰め込んだプロレスをやりたい。大阪の大会場に、大歓声の嵐を起こしてみせます」

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