ちょっと失礼な言い方になってしまいますが、そんなに期待していなかった本なのに読んでみると意外に面白かったという経験ってありませんか？　僕にとっては本書がその一つでした。

　伝説の天才美人女優だったと言われているスナックのママが、社内のプレゼンで緊張してしまうサラリーマンに対して演劇的なアプローチで解決法を指南していくストーリー。ベストセラーになった『夢をかなえるゾウ』のように対話調で進んでいくのでとても読みやすく、かなり実践的でした。

　緊張というものは取ろうと思って取れるものではありません。だから行動することでそれを取っていこうとする。たとえば「ジブリッシュ」という演劇界のやり方が登場します。意味のないメチャクチャな言葉を口に出すことで理性を緩め、緊張をほぐしていくというものです。