天咲の気の強さ「もがいてるのは伝わってきた」

　ジュリアの“懐”の中で、天咲はやれるだけのことをやった。天咲が食らいついていったからこそ、ジュリアが“懐”を広げたのだとも言える。

「食らいついてきてるなっていうのは感じましたよ。こういうのは人によるんです。（厳しく攻められて）何もできなくなってしまう選手もいますから。そういう場合は、やっててもしょうがないからすぐ終わらせるんですけど。

（天咲が）もがいてるのは伝わってきました。動きがどっしりしてきたのも感じましたね。もちろんまだまだなんですけど、その中でも“やってんな”と」

　観客にわかりやすい派手で綺麗な部分だけではない要素もプロレスにはある。そこを大事にする姿勢が天咲にはあるということだろう。欠場中に練習をともにした経験から、気が強いということは分かっていたという。

「できないことはいっぱいあるんですよ。でも、できないなりに向かっていく気持ちがある。そういう子はレスラーとしての魅力を感じますね。できないことがあるのは当たり前で、そこに向き合うことが大事なんです。

　今は“期待の新人”だから先輩たちも団体もサポートしてくれる。でもそれに甘えてたらいけない。甘くない選手が増えてくれれば、自分もやりがいがあるからいいんですよ。ま、私の基準から言ったらもっと気が強くてもいいけど（笑）」

ジュリアも驚き…天咲がとった“まさかの行動”とは？

　気持ちの強さ、思い切り放ってくるエルボーの威力はジュリアも認めるところ。気の強さを「図太い」とも表現していた。

　天咲は試合を終え、引き上げていくジュリアを呼び止め「リングに上がってきてください」。そしてジュリアの横で「この大会、私が締めてもいいですか？」。出場選手たちが集合しての記念撮影、気がつけば天咲はジュリアにもたれかかって嬉しそうにしている。さすがにジュリアも驚いたようだ。

「凄い性格してんなと思って。そういうところも認めてやろうと」

　この天然の図太さを磨き上げると“スター性”と呼ばれるものになるのかもしれない。

「5番勝負で成長して、この『NEW BLOOD』という大会は私が中心になります」

　リング上でもインタビュースペースでも、そう繰り返した天咲。おそらく、場数を踏むことで言葉も磨かれていくだろう。天咲光由には“芯”がある。今はそれしかないとも言える。ジュリアがそれを分かりやすく見せた。そこにどんな肉付けがなされていくか。次回の『NEW BLOOD』は8月26日に開催される。

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