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大谷翔平が開幕戦で刻んだ「MLB史上初の記録」とは? 観客は早くも「MVPコール」〈黒星も4回途中9奪三振、降板後DHで大飛球〉
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph byGetty Images
posted2022/04/08 17:00
開幕投手を務めた大谷翔平。4回途中1失点、9奪三振の内容で、降板後にも打席に立った
大谷翔平が2022年MLB開幕戦で、野球史に新たな足跡を残した。現地時間7日(日本時間8日)にエンゼルスの本拠地で開催されたアストロズ戦に「1番投手/DH」として出場し、観客からの「MVP」コールを受けて投打に奮闘。先発投手として4回2/3を投げて9奪三振1失点で敗戦投手、打者としては無安打だったものの、降板後に指名打者として打席に立つなど、早くも話題を作っている。
4回には三者連続三振など剛腕がうなった
2021シーズンのア・リーグMVPに輝いた大谷は、開幕を前にしたNumberのインタビューで「今年はオープン戦の数が減る分、登板間隔も変わるし、登板する数も1、2回、減ると思うので、その中で開幕に100%を持っていけるよう合わせたいなと思っています」と語っていたが、メジャーでは自身初となる開幕投手として持ち味を見せた。
2022年の初球こそストライクゾーンから外れたが、いきなり100マイル(160.6km)をマーク。球威十分のフォーシーム、スライダー、そして昨季はあまり使わなかったカーブを交えるピッチングを見せた。3回に2死から連打を浴びて先制点を献上したものの、翌4回にはグリエル、タッカー、ペーニャを三者連続三振に切って取る。さらにはリーグ屈指の強打者であるアルトゥーベから3打席連続三振を奪う好投を見せた。
80球で降板した大谷だが、今年はこれで終わりではない。先発投手が降板後、指名打者として打席に立てる、いわゆる“大谷ルール”によって打順に残ると、6回の第3打席に初のケースが回ってくる。
この打席では好調の相手先発バルデスの前にショートフライに倒れたとはいえ、野球史に新たな歴史が刻まれた。2点ビハインドの二死三塁で迎えた8回の第4打席、大谷が放った大飛球はスタンドに届かずエンゼルスも敗戦したが、大谷に対するエンゼルスタジアムの声援は、やはりひときわ大きかった。
大谷はこの日、ある記録を作っている。MLBは公式スタッツのツイッターアカウントで「ショウヘイ・オオタニはア・リーグ、ナ・リーグ両方の歴史で“投手としてのファーストピッチを投じ、打者としてのファーストピッチに対峙した”史上初の選手となった」と紹介したのだ。
2022年、大谷はどんな未踏の領域に達するのか――日米のファンが期待を寄せる1年が始まった。