ローズは4年足らずなのに史上最多の……

＜チーム歴代のサイクル安打記録者＞
　1950年6月27日/門前眞佐人（大洋）中日戦
　左安・中飛・左本・右2・右3
　1953年4月23日/青田昇（洋松）巨人戦
　右3・左2・左飛・左安・左本
　1961年7月8日/近藤和彦（大洋）阪神戦
　左安・右2・右3・右飛・右本
　1978年5月20日/長崎慶一（大洋）阪神戦
　左安・右3・右本・左飛・右2
　1995年5月2日/ロバート・ローズ（横浜）中日戦
　中安・中2・右2・右本・左3
　1997年4月29日/ロバート・ローズ（横浜）ヤクルト戦
　右本・中2・中安・中安・中3
　1999年6月30日/ロバート・ローズ（横浜）広島戦
　中2・四球・中安・右3・中本
　2002年7月27日/ボイ・ロドリゲス（横浜）広島戦
　左3・左本・右安・右2
　2018年7月20日/桑原将志（DeNA）阪神戦
　左本・左安・右3・四球・左2
　2021年8月25日/牧秀悟（DeNA）阪神戦
　右2・右本・中安・捕邪飛・右3

　この記録を振り返るたびに、わずか4年あまりで史上最多の3回のサイクルヒットを記録したロバート・ローズは何というすごい選手だったのかとしみじみ思う。

イチローや長嶋が達成できず、大谷はMLBで達成の“運”

　なお1961年の近藤和彦以前の記録は、達成された時点では表彰されたり、記事になったりすることはなかった。

　サイクルヒットという記録は、1965年7月16日の近鉄戦で記録達成した阪急のダリル・スペンサーが「なぜ、俺のところにサイクルヒットについて聞きに来ないんだ」と記者に話したことから日本では知られるようになった。それ以前の記録は、あとから記録担当者がスコアブックを掘り起こして“発掘”したものだ。

　2000本以上も安打を打つような大打者は、サイクルヒットくらいは達成していてもおかしくないように思うが、通算安打数2位の野村克也や、最多安打10回の長嶋茂雄、そして史上最高の安打製造機イチローも日米ともに達成していない。

　一方で大谷翔平は、MLB移籍2年目の2019年6月13日のレイズ戦でサイクルヒットを記録している。

　この記録は「能力」「実力」に加えて「運」も必要なのだ。

　安定感抜群の牧秀悟には今後、何度もサイクルヒットを記録するような打者になってほしいと思う。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。