この年から復帰した清水達也監督は1年春から牧を正遊撃手に抜擢。2年生秋季シーズンにはベストナインに選出される。

　3年生で二塁手にコンバートされた牧は、春季シーズンで50打数20安打2本塁打14打点、打率.400で首位打者、秋季リーグでは36打数13安打1本塁打14打点、打率.361（3位）でベストナイン、MVPにも輝く。

　この年7月の日米大学野球選手権大会では、大学侍ジャパンの正二塁手として中軸を打って本塁打も記録した。

佐藤輝明とともに大学注目の打者だった

　4年生の春季大会は新型コロナ禍で中止となったが、秋季大会でも33打数11安打2本塁打5打点、打率.333（3位）を記録、二塁手として3期連続でベストナインを獲得した。

中央大時代の牧©BFP/AFLO

　大学屈指のスラッガーとして、プロ注目の選手となり、2020年ドラフト2位でDeNAに指名された。大学の打者としては阪神に1位指名された佐藤輝明が注目の的ではあったが、牧は中央大のチームメイトで日本ハムから2位指名された五十幡亮汰とともに、上位指名が予想された選手ではあった。

ルーキーながら成績に波が少ない

　大学時代の成績からもわかることだが、牧は一度獲得した技術を着実に身につけるタイプの選手だ。だから成績に波が少ない。今季の月間成績（8月は25日時点のもの）。

　4月30試118打34安6本22点 率.288
　5月22試83打22安3本6点 率.265
　6月18試59打19安2本8点 率.322
　7月11試36打7安1本2点 率.194
　8月8試19打10安2本9点 率.526

　開幕直後に派手な活躍で売り出したが、その後も安定した成績をキープ。7月に入ってやや成績が下落したが、NPBは東京五輪開催によって1カ月もの中断に入った。このブレーク期間が功を奏したか、8月に再開してから猛打を連発している。

　もともと二塁手だが、一塁手ソトの来日が遅れたため一塁手で起用される。ソトの復帰後は二塁手になったものの、守備でも無難なところを見せている。

　DeNAではサイクルヒットは8人、10回目となる。これは球団別では最多だ。

【次ページ】　ローズは4年足らずなのに史上最多の……