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大谷翔平とヤング・オールスターズ。2年ぶりのオールスターは「二刀流」「3人のJr.」など今季絶好調の若手に注目!
text by
芝山幹郎Mikio Shibayama
photograph byGetty Images
posted2021/06/19 06:00
ゲレーロJr.(左)は中間発表の一塁手部門で85万票弱、大谷(右)は指名打者部門で53万票弱を獲得し、ともに部門1位の得票
渋いのは、レッズ打線の中軸を担うカステヤノスとウィンカーのデュオだろう。ともに年齢は20代後半で、今季は3割5分前後の打率をキープしている。チーム状態がいまひとつなのであまり目立たないが、ムーキー・ベッツやブライス・ハーパーといったスターが今季はやや不調なだけに、ここで脚光を浴びる可能性は十分にある。
一方のア・リーグは、新顔の数がさらに多い。大谷とゲレロは、もはや「リーグの顔」だ。大谷には「100年ぶりの快挙」が待っているし、ゲレロは三冠王獲得が視野に入ってきた。深刻な故障にさえ見舞われなければ、両者のMVP争いは、シーズン終盤にかけてさらに激化していくと思う。
彼ら以外では、ラファエル・デバース(三塁手1位)やバイロン・バクストン(外野手3位)の台頭が眼を惹く。いぶし銀の脇役マーカス・シーミエン(二塁手1位)も無視できない。アスレティックス時代は遊撃手だったが、今季ブルージェイズでは二塁にまわり、攻守ともに存在感を強めてきた。
ブレイク寸前「第4のジュニア」
トップ通過者に限らなければ、ア・リーグには若手の逸材がまだまだいる。マット・オルソン(一塁手)、アドリス・ガルシア(外野手)、ヨアン・モンカダ(三塁手)、ボー・ビシェット(遊撃手)といった面々だ。もし選手間投票などで選抜されることがあれば、穴馬的な活躍を見せるかもしれない。
とくに、ひそかな注目株はビシェットだ。父親ダンテ・ビシェット譲りのパワーで、「第4のジュニア」として一気にブレイクする可能性がある。投高打低現象が指摘されがちな今季だが、鮮度の高いオールスター・ゲームを期待できそうだ。