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「対戦相手の手強さを考えれば…」ダルビッシュ有&前田健太“サイヤング2位”が示す誇らしい事実
posted2020/11/13 17:00
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph by
KYODO
ダルビッシュ有、前田健太はともにサイヤング賞投票で「2位」の結果に終わった。
2人を上回り、同賞を受賞したのはレッズのトレバー・バウアーとインディアンスのシェーン・ビーバーとなった。
ア・リーグのビーバーは勝利数(8)、防御率(1.63)、奪三振(122)の主要3部門すべてにおいてリーグトップになった成績に相応しく、全米野球記者協会(BBWAA)30人の記者投票で全員が1位票を投じた。
ナ・リーグのバウアーは勝利数(5)では8位タイ、奪三振(100)では2位ながら、防御率(1.73)でトップとなり、集めた1位票は27。ダルビッシュの3を大きく上回った。
断トツの成績を収めたビーバーには敵わなかった前田だったが、2位票では最多の18を集めた。適切な評価だったと感じる一方で日本人初の最多勝(8)に輝き、投球回数でも73回のバウアーを上回る76回を投げたダルビッシュが、バウアーを大きく下回った結果を疑問視する声は多々上がっている。
今年のサイヤング賞は「非常に難しい選択だった」
ダルビッシュに1位票を投じた米放送局「NBCスポーツ」のゴードン・ウィッテンマイヤー記者は「非常に難しい選択だった」と明かした上でこのように語っている。
「今年のサイヤング賞にバウアーがふさわしいか? もちろんだ。しかし、私はユウ・ダルビッシュに投票した。これは単純なことではない。対戦相手の手強さを考えた上で成績を見れば、ダルビッシュの方が素晴らしい」
ウィッテンマイヤー氏はポストシーズン進出チーム相手にバウアーより多く登板し、その上で良い成績を収めたダルビッシュを評価している。
確かに日本人初の受賞に大きく期待はかかった。だが、この結果は「残念」なものなのであろうか。両リーグにおいて、初めて日本人投手がサイヤング賞投票で「2位」につけた事実。これは大きな一歩だと感じている。