ハマ街ダイアリーBACK NUMBER
ラミレス監督の勝ちパターン構想。
9回山崎、8回パットン、7回は井納!?
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph byNaoya Sanuki
posted2018/03/07 11:30
2016年には開幕投手も務めたが、ここ3年は負け越し。昨季の日本シリーズではリリーフ登板も経験している。
井納は代えどきを見極めるのが難しい。
そんなリリーフ陣に厚みを加えるべく白羽の矢が立ったのが、井納である。
井納は昨年10月1日の広島戦で、レギュラーシーズンでは初めてリリーフ登板して1イニングをしっかりと抑え、2年連続のCS進出決定に貢献している。さらにソフトバンクとの日本シリーズにおいても、第1戦に先発して敗戦投手となった後、第3戦と第6戦ではリリーフ登板を経験している。
150kmの速球と空振りを取れるフォークボール、そして物怖じしないメンタル。そのスペックを見れば、井納のリリーフ適性は高いのではないかと考えられる。
昨季は年間を通して先発ローテーションを守りながら、6勝しかできなかった。立ち上がりから完璧な投球をしているかと思いきや、何の前ぶれもなく突如5、6回に崩れることも多々あった。ラミレス監督も「代えどきを見極めるのが一番難しい選手」と首をひねっていた。
イニングを重ねて腕の振りが甘くなり、フォークが落ちなくなることが崩れてしまう要因だった。これが短いイニングであれば、調整法いかんでは十分に力を発揮することができるだろう。
6番めの先発か、中継ぎか。
とはいえ、中継ぎに井納が抜擢されるには、ある条件をクリアしなければいけないとラミレス監督は言う。
「6番目の先発が固まらなければ、井納を先発で使わざるを得ない」
現在、ラミレス監督の先発構想には、左の今永昇太、石田健大、濱口遥大、さらにルーキーの東克樹、そして外国人右腕のウィーランドが入っている。
「6番目として考えているのは井納を含め、熊原健人や飯塚悟史あたりが候補になっている。6番目の選手が固定できれば、井納には中継ぎをやってもらおうと考えている」
二段モーション解禁と同時にフォーム改造に取り組むなど、井納自身は先発定着に向けて意欲的だ。ただ、井納は自らの立場を理解し、覚悟を口にする。
「この2年間、満足のゆく結果を残していませんし、また、昨年は中継ぎの大変さを知りました。今シーズンは自分に集中して、崖っぷちのつもりで頑張りたい」
開幕まで残り1カ月弱、果たしてラミレス監督の判断やいかに。