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フェンシング協会会長になった太田雄貴。
「東京五輪まで」に目指す改革案とは。
text by
石井宏美Hiromi Ishii
photograph byYuki Suenaga
posted2017/11/17 11:30
国の補助金に依存しすぎず運営できるように……。
横浜DeNAベイスターズを黒字に変えるなど、多くの改革を実行してきた池田純からも質問が投げかけられた。
池田 日本フェンシング協会会長として様々な取り組みを考えていますが、東京オリンピックの先はどのように考えていますか?
太田 個人としては国際の部分(国際フェンシング連盟 理事)は継続しながらも、できるだけ早い段階で、僕がいなくても日本のフェンシング界がまわるような状態にしていきたいですね。そのためにも、まず(国からの)補助金のボリュームをいかに減らして、財政を安定させていくか。そこに頼るという体質からいかに早く脱却できるか、ということは考えています。
他の競技と比較しながらマーケティング中。
池田 今後、フェンシングのターゲットになるのはどのあたりになるのでしょうか。今、ラグビーに関わっているんですが、2015年W杯でブームになり競技人口は増えたけれど、まだまだ。ターゲットをどこにするかが今後の課題だと思います。
太田 お恥ずかしい話ですが、明確に答えることができないのが現状です。他の競技団体さんと比較しながらマーケティングを行っている段階ですね。そもそも、これまでどういう人がフェンシングをやっているのかさえも分析されていませんでした。これからは肌感覚だけではなく、数字化してしっかりと説明していかなければと考えています。
池田 現在、太田さんがフェンシング協会でさまざまな改革を行っていますが、外部の方ではどのような方々が尽力されているんですか?
太田 楽天球団を立ち上げたヤフーショッピングの小澤(隆生)さんや、落合陽一さん、コカ・コーラとのタイアップやマーケティングや金融の部分で外部の方々に関わっていただいていますが、おかげでかなり強化が出来ていると思います。
スポーツ界の枠に収まらない豊富な人脈が、会長を務める今、さらに生きている。