スポーツ・インサイドアウトBACK NUMBER
日本とプエルトリコ。
WBC、勝負の鍵は野球IQの高さ。
text by
芝山幹郎Mikio Shibayama
photograph byAFLO
posted2017/03/17 09:00
国旗を手に感情を爆発させるリンドーア。プエルトリコにとっても、WBCは国家の威信を懸けた戦いである。
日本とプエルトリコの、野球IQが高いという共通点。
そこでヒントになりそうなのが、やはりプエルトリコの戦い方だ。モリーナのリードを筆頭に、ロザリオの強肩、バエスの名人芸的なタッチプレーなど、このチームは、機動力や守備力が群を抜いている。速いし、抜け目がないし、奇襲をかけるのも得意だ。
裏を返していえば、日本とプエルトリコには、野球IQが高いという共通点がある。このあと、プエルトリコは、アメリカやベネズエラを相手にどんな戦い方を見せるだろうか。ちょっとしたミスが命取りになりかねない短期決戦だけに、彼らの戦い方を観察し、それを積極的に取り入れていくなら、日本は、ドミニカやアメリカと準決勝でぶつかっても勝機を見いだせるはずだ。
力勝負に走らず、菊池涼介、千賀滉大、小林誠司らの野球的頭脳を最大限に活用して戦えば、面白いゲームが見られるのではないか。
仮にプエルトリコと当たった場合は……野球IQの勝負になるのは必至だから、日本が優位に立てそうな投手戦になんとかして持ち込みたいものだ。知名度や能力の絶対値だけでは勝敗の行方が決まらない大会だけに、戦術に一層の磨きをかけ、偶然を味方につけて勝利をもぎとってもらいたいものだ。