Number ExBACK NUMBER
福井、辻野、修造、そして本人!
みんなで語る4大大会、錦織圭の勝算。
text by
Number編集部Sports Graphic Number
photograph byHiromasa Mano
posted2017/01/12 15:15
2016年、マドリッド大会で善戦したジョコビッチ戦。クレーでの戦いが、ひとつの鍵になる。
修造「タフになれ!」、ダバディ「鍵はハート」。
「タフになれ!」
自身、ウィンブルドンでベスト8入りし、ジュニア時代から錦織選手を知る、日本テニス界を日本一応援する男、松岡修造氏。
そして、幼少のころよりローランギャロスでの観戦に親しみ、世界一目の肥えたファンの視線を知り尽くした男、フローラン・ダバディ氏。
錦織選手を応援することでは人後に落ちないふたりは、異口同音に、あえて厳しい言葉を贈ってくれた。
「錦織選手は、ここぞというときに、コートでマイナスのエネルギーを出してしまうように見えることがある。そういうときに、観客の気持ちは離れてしまう。観客を味方につけるために、絶対に勝てる、と自分を信じ切って、タフになれ!」(松岡氏)
「パリのファンは、劣勢の選手がネガティブな表情や態度を取ると、自滅しつつあることを感じとって、一気に倒せ、と野蛮に盛り上がることがあります。そこで外向きに観客とコミュニケーションをとることで、選手の心の大きさやオーラを感じて、声援をもらえるはず。鍵はハートにあります」(ダバディ氏)
ここ一番での、タフなハート。技術を超えた、メンタルにヒントがあるわけですね。
ううむ、いくつか重要なポイントがわかってきた。
果たして、錦織選手自身はどう考えているのだろうか……。
そして錦織本人に取材の当日……。
訪れた、取材当日――。さっそうと現れた錦織選手の姿にデスクNは目を光らせた。
おっ、ラケットがモデルチェンジしていますね。
3年前に「スピードを求めて」開発された名ラケット『BURN』が、シンプルなデザインにリニューアルしている。
実はこの新モデル、メーカーによれば「筋肉への負担を約14%軽減する」とのことで、「疲れにくい」ことを追求しているというのだ。
これはもしや、「長丁場」対策――!?
そして「今日は申し訳ないですが、足元がまだ準備できないので……」ということで、ウェア着用ながらシューズだけは写らないという条件に。
撮影自体は、カメラマン秦義之氏の手腕で、足元を写すことなく最大限の躍動感とカッコよさを発揮したものとなったのだが……実は錦織選手、この後、シューズ契約を新たなメーカーに変更したのだ。
これはもしや、「フットワーク」対策――!?