極貧の少年時代、ペレに一歩を踏み出させた家族愛。

　貧しい環境で育った少年時代、ペレが偉大なる選手への一歩を踏み出すにいたった家族愛に心を動かされた観客も多かった。

「信じて見守ってくれる人がまわりにいて、いいタイミングで言葉をかけてもらえるって、すごく力になるんだと感じた。そのパワーを知っているから、チームのみんなにパワーを与えることができたんだと思う」（試写会アンケートより。以下同）

「父との絆が感じられる良い作品でした。マンゴーを使った特訓にはびっくり」

「本作は『伝説の誕生』のほんの始まりを描いたにすぎないが、見ごたえ十分だ。特に極貧家族に育った彼の両親をストーリーに絡めたことで、観客をぐいぐい引き込むことに成功している」

　もちろん、ペレの超絶的なプレーも存分に表現されている。だが、当時のブラジルでは、“ジンガ”と呼ばれる相手を翻弄するような個人の華麗なテクニックを封印し、ヨーロッパの主流だった戦術と規律を取り入れようとする傾向があった。

　そんな空気のなかで“禁じられた切り札”を解禁したペレがブラジルに初のW杯優勝をもたらすとともに、後のセレソンのスタイルを確立するのだ。

　ペレの壮快感のあるプレー映像と音楽も、この映画を愉しむツボである。

心躍るジンガとブラジル音楽。

「満員のスタジアムの滝のように降ってくる歓声を聞く立場にはなれないけれど、ペレ君のおかげで、すごい歓声を浴びる気分が味わえました。ありがとう」

「サッカーを芸術にするジンガを初めて知ることができて感動した」

「ジンガスタイルにすごく心踊らされた」

「テンポが良く、絵もキレイで、ペレ役の方の体もステキでした」

「音楽が効果的でブラジル魂がよく表されていました」

「ブラジル音楽にのせて映像を見るのは楽しい」

　そして、本作の隠れた見どころのひとつは、ペレ本人が“カメオ出演”していることだろう。ほんの一瞬ではあるが、ウィットの効いた効果的な演出に刺激を受けた方も多数いた。

　サッカーが大好きな方も、あまり興味のない方も、そしてペレを知っている人も、名前しか知らない人も、楽しめることは間違いない。